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業績向上のヒント

業界の流れと考え方を変える

業界の人たちの多くは、チェーンストア理論の終焉に気がついていることでしょう。しかし、あい変わらず大型チェーンとの取引を増やすことが優先課題です。世の中が、こんなに劇的に変わっているのに、大丈夫なのでしょうか。

かつては、売場が広く商品が多いほど繁盛する、という考えが主流でした。チェーンストア理論は、大量生産、大量販売、大量消費が求められた時代にはとても効率的で、時代を推し進める役目をしました。求められたのは生産性の向上です。コストを抑えて時間と人手をかけず、画一的な商品を大量に作って売る手法やその管理手法が発達していきました。

つまり、チェーンストアには生産管理の考え方が応用されたので、画一的な売場に同じような商品が大量に並ぶことになります。販売方法も人手をかけず、商品管理が優先です。おそらく、そこには「良い物を安く」提供するという使命感があったのでしょう。その結果、何百坪、何千坪もある大きな売場が全国に何百店も出来ていったのです。メーカーさんや問屋さんにしてみれば、このチェーン店の動きについて行けば楽に売上ができます。
その一方で、町のスポーツショップにもその商品の一部が回ってきて、チェーンストアと同じような品ぞろえになってしまいました。そうなれば、商品量が多い方に軍配が上がるのは当然です。ですから、町のスポーツショップが激減している原因の一つに、チェーンストア理論があげられても不思議はありません。

そして今、スポーツ用品業界は、この流れと考え方を変える必要があります。そのためにも、今こそ町のスポーツショップさんにがんばってもらわなくてはなりません。そのキーポイントは、「個客化」と「こだわり」です。

「個客化」とは、そのお客様だけに合った商品を売ることです。例えば、野球グラブのオーダーメイドがそれに当たります。お客様の好みや技術に合った商品が注文できます。この仕組みを、出来るだけ多くの商品に適用することです。つまり、その人に合った商品を、一人づつ販売することが「個客化」につながります。これが、町のスポーツショップの一つの方向です。

また、「こだわり」というのは、他人に熱く語れる商品を売るということです。例えば、一枚11,000円のTシャツを売っている会社があります。これがよく売れるのです。なぜでしょう。それは、このTシャツには他人に「語れる」ストーリがあるからです。会社のこだわりが、このTシャツには詰まっています。そのこだわりを知った人が、喜んで11,000円を支払うのです。その人にとっては高くともなんともありません。こうした、「語れる」商品を売ることも、町のスポーツショップの進む道です。そうすれば、どこも似たような店にはなりません。

ぜひあなたのお店では、このような「個客化」と「こだわり」の商品で売場をいっぱいにしましょう。それが業界の流れと考え方を変えることになるのではないでしょうか。