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業績向上のヒント

経営者の器

あるお店から質問をされました。「パパママストアのままではいけないのでしょうか?」。このお店は、もう何十年もご家族3人で商売を続けておられます。それで生計が成り立っていますから、特に問題はありません。とはいえ、はたして、今後もこのまま進んでいけるのでしょうか。
そこで、このお店の店主にお尋ねしました。「この先、もっと商売を拡大する予定はお有りですか?」。すると、「その予定はありません」と、即答が返ってきました。「商いを大きくするには、人を雇わなくてはいけないし、さらにお金の苦労をしなければならない」というのが、その理由でした。そのとき、「パパママストアのままではいけないのでしょうか?」と聞かれたのです。
いけないことはありません。確かに、「家業」を続けて生活ができればそれでいい、という考え方もあります。そして、このお店は、お客様に必要な商品を提供しています。地元のスポーツチームの支援だってしています。お客様にとって、必要なお店であることにはまちがいありません。
それでも私は思ってしまうのです。「本当にそれでいいのですか?」「お店を大きく育てる夢は無いのですか?」「もっと多くの人にスポーツ用品を届けたいとは思いませんか?」「もっと多くのお客様に喜んでいただきたいとは思いませんか?」。
商売にしろ事業にしろ、経営者の考え方がお店や会社に表れます。十年一日、同じ場所、同じ店構え、同じような品ぞろえのお店は、経営者がそれで良いと思っているからです。一方、お店を大きくしたいと思っている経営者は、売場を広くしたり、出店を重ねたりしていきます。成長することが人生だ、と思っているのかもしれません。そんな経営者にとっては、お店を成長させることが大事なことです。「継続させることが経営だ」と言う人もいます。しかし、これも守っているだけでは、継続はしないのではないでしょうか。成長してこそ継続が出来る、と思うのです。
もちろん、お店を成長させるのは簡単なことではありません。成長のためには、従業員も増やす必要があります。従業員を雇うということは、組織を運営することです。組織運営は、どんなに小さくともそれなりに苦労がついて回ります。お金のやりくりも大変です。さらには、経営戦略なども真剣に勉強をしなくてはなりません。しかし、そのことによって、お店だけでなく経営者として成長することができるのですから、素晴らしいことではないでしょうか。
「企業は経営者の器以上には大きくならない」と、よく聞きます。パパママストアの経営の方が楽かもしれませんが、お店が成長することは楽しいことです。お店が成長する段階では、多くの問題が起こります。それを解決して乗り越えていくことは、楽しいことではありませんか。ぜひ、そんな楽しい機会を積極的につかんで、夢や目標の実現のために、成長を続けていって欲しいと思うのです。